こんにちは、《 岩ちゃん 》です。
今年度もあと2ヵ月になりました。
10月分の「紹介する本」は以下の通りです。
○岩ちゃん しつもん仕事術
○MASA スターバックス 輝きを取り戻すためにこだわり続けた5つの原則
○まっさん 貞観政要(じょうがんせいよう)
○ささどん なぜ繁栄している商店街は1%しかないのか
それでは、メンバー各人が「紹介する本」をご覧ください。
○岩ちゃん しつもん仕事術
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9月に今年度の研究テーマが「具体的な診断への応用」(仮)ということになった。これまで診断した企業の中で「マンダラチャート」を有効に活用しているところがあり、これについて知りたいと考え、本書を読んだ。 「マンダラチャート」は、クローバ経営研究所会長の松村寧雄氏が密教の曼荼羅図にヒントを得て1979年に開発したもの。基本形は中心核を持つ3×3の9マスの図である。本書では、これにあらかじめ「しつもん」を記載した「魔法の質問マンダラチャート」が紹介されている。 まだ読み終わったばかりであり、実際に使っていないが、今後試してみて、効果を確かめたい。診断においてもこちらから提案するだけでなく、「しつもん」を投げかけ、相手に解決策を考えてもらうことも実践してみたい。 |
○MASA スターバックス 輝きを取り戻すためにこだわり続けた5つの原則
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本書の序文には、リッツ・カールトン・ホテル社長 アープ・アムラー氏による本書の著者ジョゼフ・ミケーリ氏の紹介が掲載されています。紹介文によれば、「ミケーリ博士は顧客満足の専門家で、経営コンサルタントでもある」、「博士の著書は具体的な事例が満載で学習実験室として活用できる」とあります。 本書においても、著者は、二年以上を掛けてスターバックスが事業を展開するすべての地域において調査を行い、あらゆるレベルのリーダーとパートナーに対して500時間以上のインタビューを実施しています。 その結果、著者が導き出したリーダシップの原則として、以下の五つの項目が紹介されています。①情熱を高める、②愛することで愛される、③共通点を見い出す、④つながりを結集する、⑤伝統を守り、ときに挑戦する。以下は、本書の章立てですが、このリストだけでも役立つものではないだろうかと思いました。 【本書の章立て:強い絆を結ぶための5つの原則】 ①情熱を高める ・売り手が情熱を抱けない商品にお客様が情熱を抱くだろうか? ・つねに変わらず一貫性を保つ ②愛することで愛される ・信頼と愛情が企業の価値を決める ・最高のサービスはパートナーの成長からしか生まれない ③共通点を見い出す ・人間の普遍的なニーズを満たす ・地域の声に耳を傾ける ④つながりを結集する ・テクノロジーを活用してつながりをそだてる ⑤伝統を守り、ときに挑戦する ・過去は大切にするが、とらわれてはいけない ・持続的な成功を築くために長期的な視点を持つ ・暮らしに溶け込み真のつながりを育む 著者によれば、スターバックスのリーダーシップを表現する言葉は、「つながり」「人間らしさ」「謙虚さ」「情熱」「愛情」であり、一般的なリーダシップ論ではあまりお目に掛からない表現であるとのことです。 本年度七月には、「スターバックス 成功物語」(スターバックスを世界的企業に育てあげたハワード・シュルツ氏の自伝的内容)を読み終えましたが、同書が経営者の視点であったのに対し、本書は外部の第三者の視点であり、大変興味深く読み進めることが出来ました。また、具体的な社内での取り組みから社員教育まで、多くの実例が紹介されており、とても内容の濃い一冊です。本書の内容を汎用化して実務に活かすことが出来るだろうかと考えてみたいと思いました。 |
○まっさん 貞観政要(じょうがんせいよう)
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貞観政要は名君の誉れ高い中国・唐の太宗(在位626~649年)とそれを補佐した魏徴や房玄齢などの名臣たちとの政治問答集である。治世の教科書として日本でも古くから読み継がれ、鎌倉北条氏や徳川家康の愛読書としても有名である。 企業経営のあり方では「創業」と「守成」の難易について議論がなされるが、貞観政要を貫いている主題は守成の心得である。その意味で成熟社会にある今日の経営者や管理者の必読の書と言える。
名君の条件は、まず自らの奢侈や欲望を抑えて万民の手本となる私生活をおくり、臣下の諫言をよく聞き入れた上で人材を登用し適材適所に使いこなすことである。 太宗は創業と守成という二つの困難を克服して唐王朝の基礎を固めたが、この言は守成の心構えとして述べられている。企業経営でも長期的な展望を行う中で、いつも最悪の事態を想定してその対策を用意すべきことを示唆している。 太宗は『荀子』にある「君は舟なり、庶民は水なり。水は舟を載せ水はすなわち舟を覆す」という言葉を治世の心構えとして肝に銘じていた。 人使いのコツは「短所を見ずに長所をみよ」とされるが、これは「短所に目をつぶれ」というわけではなく、相手の短所と長所を十分心得たうえでその長所を発揮させるということである。 君主が臣下の忠誠や献身を期待するには、まず君主の側が相手の価値を認めてそれにふさわしい待遇を与えることが肝要である。そうすれば「士は己の知る者のために死す」忠義の士が現われる。 幸、不幸には決まった門があって入ってくるわけではない。みな人が招き寄せるものである。わが身を不幸に陥れるのは利益を貪ろうとするからである。これはまったく餌を貪って人手にかかる鳥や魚と異ならない。 政治の要諦はなによりも人材を得ることである。能力のない人間を登用すれば必ずや政治に混乱をもたらすであろう。今、人材の登用にあたってはまず徳行と学識を基準にすべきである。 |
○ささどん なぜ繁栄している商店街は1%しかないのか
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著者は中小企業診断士として商店街活性化のコンサルティングと調査に携わった経歴を持つ。残念ながら現在はコンサルティング活動を停止しているが、本書ではこれまでの仕事の中で感じたことを率直に述べ、タウンマネージャーの人材確保と商店街組合活動から個店本業への回帰により商店街が活性化するとの結論に達している。 本書では「商店街」という言葉が場所だけでなく、組合などの組織を指す場合もあり、補助金は組織である商店街(振興組合など)に流れて、行政の支援する「まちづくり」に誘導されていることを指摘する。何とかして“補助金を使っていただきたい”自治体職員が事業をできそうな商店街組合に“お願いして”補助金を使った事業をしてもらっている相互依存の構図である。 そこで既存の商店街組合とは独立したタウンマネージャーを雇用することでこの構図を改めることを提言し、著者の活動事例も紹介されているが、タウンマネージャーの専門性が明確ではなく、また雇用のための財源にも問題があり、提言通りの対応は難しいであろう。 商店街の多くは好立地であり、新規の出店には向いていると思われる。出店を促進し、商店街組合の運営に若い商店主も加えて、より素直な視点で商店街組合活動を進め、補助金ありきではない活性化へつなげていくべきと考える。 |