こんにちは、《 MASA 》です。
今年度の書籍紹介ブログ公開も6月以降7ヵ月目となりました。
今年度もあと3ヵ月です。
12月分の「紹介する本」は以下の通りです。
○岩ちゃん 論語と算盤
○MASA マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争
○まっさん 軍国日本と『孫子』
○ささどん 会計士は見た!
それでは、メンバー各人が「紹介する本」をご覧ください。
〇岩ちゃん
論語と算盤
論語と算盤 [ 渋沢栄一 ]
11月に中小企業診断士の児玉先生の「経営学と武士道との良き出会い」という講演を聞いた。その後、以前から気になっていた「論語と算盤」をパラパラと見ていたところ、「武士道」という言葉が目に飛び込んできて、どんなことが書いてあるのか知りたいと思った。 「論語と算盤」は、大正5年(1916年)に実業家の渋沢栄一氏によって書かれたものであるが、明治維新前は武士には道徳教育があるが,商工業者にはそのような教育がなかったということである。国際的にも信頼され,国力を高めるためにも商工業者にも道徳が必要であり,この道徳には「論語」が参考になるということである。京セラの稲盛氏が「人間として何が正しいのか」を経営判断の基準としていることにも通じる考え方だと思った。 ちなみに、本のなかに「下腹部に力を籠める習慣を生ずれば、(中略)、勇気ある人となるのである。」というくだりがあったが、児玉先生が言われる「胆力」とも通じており、腹式呼吸等を意識し下腹部を鍛えたいと思った。 |
〇MASA
マリッサ・メイヤーとヤフーの闘争
コメント
マリッサ・メイヤー氏は、ヤフーの現在の経営者です。ヤフーの経営者に抜擢される以前のメイヤー氏は、グーグルの№2としてメディアにも頻繁に取り上げられてきた人物です。 本書では、ウェブ時代の先駆者としてトップ企業に君臨したヤフーの成功までの道筋とその後の迷走が語られるとともに、併せて、メイヤー氏の自伝的な内容、グーグルの経営基盤確立時期についても詳しく紹介されています。本書の帯に書かれている言葉『喰うか、喰われるか ネット業界の熾烈な内膜』がリアルに実感できました。 また、本年6月に読み終えた『Alibaba アリババの野望 世界最大級の「ITの巨人」ジャック・マーの見る未来』においては、創業間もない「アリババ」とITの巨人「ヤフー」との攻防が語られるのですが、6月には「アリババ」の立場から、今回は「ヤフー」の立場から同じ出来事を見ることになりました。とても興味深く読み進めることが出来ました。 しかし、本書を読んで最も興味を引かれたことは、これまでに何人ものカリスマ経営者がヤフーの再建に取り組み、そして、全員が失敗していること、そして、自社の課題を明確に自己分析できていながら変革することが出来ずに迷走していることです。驚いたのは、社内の幹部が自社の迷走振りをメディアに内部告発すらしています。 本書の内容は、環境変化に対する自己変革について考える材料として非常に意義あるものだと思いました。組織が変わることが出来ないのはなぜなのか?企業経営の手腕では大きな環境変化には立ち向かえないのか? そして、メイヤー氏は正しい選択肢を選んでいます。一貫性の無かった戦略をいくつかに絞り込み、ユーザー目線を取り入れました。また、経営に関する情報を社内で見える化し、社員が経営陣に意見する場を設け、職場環境を改善しています。それなのに・・・。以下は、メイヤー氏就任後のヤフーの経営状況について本書で触れられている部分です。「問題が生じはじめた。社員の士気が低下した。広告ビジネスの立て直しに失敗したどころか、収益も低下を続けている。検索シェアの縮小も止まらない。ヒット商品と呼べるものも、ヤフーはまだつくれていない。ヤフーでの滑り出しは順調だったが、今となっては失策の対処に追われる日々が続いている」 答えは見つかっていないのです。本書の締めくくりにはこうあります・・・メイヤーも同じ運命をたどるのかもしれない。 |
〇まっさん
軍国日本と『孫子』
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明治以降、日本の軍国化が進展していく中で、『孫子』は軍の作戦や用兵の精神的・実践的支柱になったとされている。しかし、実際は1931年の満州事変を機に『孫子』が最も下策とする長期消耗戦に突入し、敗戦を迎えることになる。筆者はその要因として、以下の点を鋭く指摘する。 |
〇ささどん
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書名と表紙が印象的な本書だが、ソニー、大塚家具、スカイマーク、東芝など話題になった企業の決算書を読み解き、企業から発信される「表の顔」ではない「裏の顔」を浮き彫りにすることで、決算書の読み方のコツを伝えている。 ソニーの章では金融事業が強化され、エレクトロニクス事業がサイドビジネス化していく変化を営業利益、投資キャッシュフロー、総資産の推移から解説する。また大塚家具の章では売上高と従業員数の関係が社長交代のタイミングで大きく変わったことに着目し、そこに父娘それぞれの経営者としての信念が表れていると述べる。 粉飾決算に関する章ではキャッシュフロー計算書の重要性を実例で解説していて、参考となった。特に東芝の事例では、ソフトウェア開発の工事進行基準を使った巧妙な粉飾術で利益を計上していることとフリーキャッシュフローがマイナスであったことを対比させ、キャッシュフロー計算書の粉飾が難しく企業の実情を把握しやすいことを教えてくれる。 |